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大学入試対策

基礎をある程度固めたら、どのレベルの大学を受ける人も過去問を解きましょう

もちろんすぐに入試問題を解けるはずがありません。
型通りの基本問題と実戦の入試問題ではかなりギャップがあります(見かけ倒しなこともよくありますが)。

解けないのなら、解けるようになるまで問題集をやればいいじゃないかと思うかもしれません。
でも実際に入試問題を解くことによって、あなたの弱点、大学が求めているレベルが見えてきます。
これらを分析することで、明確な方針を立てることができます。
合格に必要なことがはっきりすれば、目的意識を持って復習、問題演習ができるので効果的です。

ここでは過去問の使い方とレベル別対策について紹介します。


中堅大学を受ける人


  • 赤本などで過去問を実際に解いてみて苦手な分野を見つける
  • 見つけた苦手の分野の問題を基本問題の演習のとき使った問題集で復習する

この2つをやれば十分です。
なぜなら中堅大学で合格点を取るのに必要なのは、
応用問題ではなく基本問題だからです。

一見難しい問題もありますが、大体は単に状況設定が複雑になっているだけなので赤本などの過去問の問題をたくさん解いていけば対応できるようになります。


基本問題をある程度解けるようになったら、自力で問題を解くこと(アウトプット)に重点をおきましょう。
過去問演習を得点力につなげるためには、
「わからない→答えを見よう」ではなくて「わからない→自分の知っている知識だけで解けるか考えよう」というように考え方をまるごと入れ替える必要があります。

私の場合、「問題が解けなかったときは、赤ペンで採点、解答の修正をし、青ペンでわからなかった原因、わかるようになるための対策をメモする」
ようにしていました。
このように自分で分析し記録すると、解けなかった原因が知識不足なのか、基本問題の理解不足なのかがはっきりするし、必要なときに素早く自分の弱点を復習できます。

「基本も身についていないのに応用問題を解くクラスに入り、授業について行けなくなり自滅」 ある予備校の先生が言っていた典型的な失敗パターンです。

必要以上のレベルの問題を解こうとして自爆はよくある失敗パターンなので、中堅大学を志望する受験生の人は注意してください。


短期間で難関大以上の合格を目指すのなら、基本は自分でやって、応用は予備校でやるという戦略は有効だと思います。しかし普通は予備校の授業の予習・復習で手一杯になるので、よほど強い意志がないと実行できません。
確実に中堅大学に合格したい人は、このようなリスクの高い戦略はやめましょう。
中堅大学を志望する人にとって応用レベルの問題は時間が余ったらやる程度のものですから。


難関大学以上を受ける人


中堅大学を受ける人に書いてある事と同じことをすれば合格最低点に近い点は取れます。
合格最低点+αを目指すには、さらに応用レベルの問題集の演習が必要です。
ここでは体系化のやり方別にアドバイスします。


□ 解法パターン重視
合格最低点+αを目指すなら一番短期間ですむやり方です。
問題集は「名問の森」、「理系標準問題集物理(名問の森よりやさしめ)」がうまくパターンがまとまっていて、典型的な入試問題が選ばれているのでお勧めです。
他の受験生に差をつけるためにはさらに難しい問題集(たとえば「難問題の系統とその解き方」)で大量に演習をする必要があります。
ただ、解法パターンのみに依存していて超難関大の問題で確実に高得点をとれるのかは疑問です。


□ 定義重視
普通の受験参考書は解法パターンに頼ってばかりでパズルを解いているみたいとストレスを感じている人や、受験物理ではなく物理学を学びたいと考えている人にお勧めのやり方です。
独学の場合、参考書に「新・物理入門」「要説物理学」を使い、問題集に「新・物理入門問題演習」、「SEGハイレベル物理」を使います。
ただ、定義重視の学習をした事のない人にとって「新・物理入門」は難しく感じるでしょう。また紹介した問題集は問題の解き方についての解説が薄いので、人によっては苦労した割に力がつかないこともありえます。
確実に身につけたいなら定義を重視して講義をしてくれる先生(有名なのは河合・東進の苑田先生)の講習を取ったほうがよいでしょう。
定義重視のやり方(本来の物理学のやり方)が身につけば、超難関大の問題で高得点・満点も夢ではありません。
※このやり方はいわゆる「微積物理」です。


□ 折衷型
解法パターンだけでは定義の部分がブラックボックスになっていて、問題を解くときにどの解法パターンを使うべきか迷ってしまうことがよくあります。
それをなくすために、よく迷ってしまう分野については「新・物理入門」のように定義重視の解説をしている参考書で調べて、ブラックボックスをなくすのが折衷型です。
問題集は解法パターン重視と同じ問題集を使います。解法パターン重視よりも時間は多めにかかりますが安定して点が取れるようになります。
このサイトでは、折衷型の人に役立つ物理の講義をしているので参考にしてください。

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投稿者 猫背の狸 、更新日 2006年12月30日