大学への物理 ~その対策に関する一考察 http://doraneco.com/physics/ 学習法の考察、参考書の紹介、講義、Javaを使った物理実験をしています。 ja 2006-03-20T18:18:58+09:00 大学レベル・問題レベルの見方 http://doraneco.com/physics/books/advice/level.html このサイトでは大学のレベルを、大検、中堅大学、難関大学、超難関大学に分類しています。
志望校がどのレベルに当てはまるかは、次の2つの方法で判断してください。

[分類の仕方1]
簡易的な分類方法です。
偏差値
大検~50
中堅大学50~60
難関大学60~65
超難関大学65~

※河合、代ゼミの偏差値を基準にした大まかな分類です。
詳しくは、予備校にある入試追跡調査結果(サンプルが少ない大学については信頼性が低いのが欠点)を使うことをすすめます。


[分類の仕方2]
合格最低点がわかっている場合は、過去問を使ってどのレベルの問題まで解けるようにすれば合格最低点を越えるかを調べてください。こちらの分類方法のほうが正確です。

  • 入試基本問題(やや易)を確実に解ければ合格最低点を超える⇒中堅大学
  • 入試標準問題(標準)を確実に解ければ合格最低点を超える⇒難関大学
  • 入試応用問題(やや難)もある程度解けないと合格最低点を越えない⇒超難関大学

問題のレベルは教科書例題(易)、入試基本問題(やや易)、入試標準問題(標準)、入試応用問題(やや難)、入試応用以上(難)と分類しています。
下の表は各大学レベルで必要とされる問題レベルをまとめたものです。
問題レベル大検中堅大学難関大学超難関大
教科書例題(易)
入試基礎(やや易)
入試標準(標準)
入試応用(やや難)○ or ◎
入試応用以上(難)

[記号の見方]
他の受験生に差をつけることができる
合格点が取れる
合格点にやや足りない

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advice doraneco5675 2006-03-20T18:18:58+09:00
微積を使う交流回路 http://doraneco.com/physics/lecture/em/kouryuu.html 目次
  1. 目標
  2. 交流回路とはなにか?
  3. 交流回路の電圧
  4. 抵抗,コイル,コンデンサーの電圧
  5. 抵抗,コイル,コンデンサーの電圧を微積を使って求める
  6. 交流回路の位相差
  7. 実効値とはなにか?
  8. 電流の流れにくさを表す
  9. 交流回路の具体例
  10. 最後にアドバイス

目標

微積を物理にあまり使わない人でもわかるレベルで,微積を使う交流回路について講義します.

目標は,微積を使えば交流回路で暗記する必要はないことを知ってもらい,実際に微積を使い問題を解くことができるようになってもらうことです.

交流回路とは何か?

電圧 v,電流 i が時間 t により sin または cos 的に変化している回路,を交流回路という.

(例) v=V sin(ωt + α) ,i=I cos(ωt + β)

<Point>sin,cos の位相θ(角度)の部分を,θ=ωt + α(β)のように表す方法時刻t=0の時の位相をα(β)(αβは定数),時刻t=tの時の位相をθとして,その値を,
角速度の定義 : ω=Δθ/Δt
に代入すると,
ω=θ-α(β) /t-0 ←ΔA=(Aの終わりの値)-(Aのはじめの値)
⇒θ=ωt + α(β)

(注意) sin と cos は位相θを変えることにより同じ関数を表すことができるから, 交流回路の電圧,電流の関数が sin,cos のどちらでも本質には関係がない.よって,sin と cos のどちらを使ってもよい.
(例) sin (θ+π/2) = cos (θ),cos (-θ+π/2) = sin (θ)


交流回路の電圧

● 抵抗,コイル,コンデンサーの電圧

抵抗,コイル,コンデンサーの電圧を表す式を確認します[図1].

抵抗: V = R I (1)
コイル: V = L (d I / dt ) (2) (注)
コンデンサー: Q = C V ⇒ V = Q / C (3)

あと準備として,電流の定義を確認します.

電流の定義: I = dQ / dt (4)

抵抗,コイル,コンデンサーの電圧を表す式
[図1] 抵抗,コイル,コンデンサーの電圧を表す式

(注)(2)のコイルの誘導起電力の式にマイナスがついていない理由

回路を考えるときには,
電池では,低電圧から高電圧の向きを,
回路素子では,高電圧から低電圧の向きを,
電流の流れる向きと定義
しています.

コイルに電流を流したとき,誘導起電力は
電流の上流が高電位になり下流が低電位になります.

このとき,
コイルを電池と見れば,
回路での電池の電流の定義の向きと逆なのでマイナスがつきます.

コイルを回路素子と見れば,
回路での回路素子の電流の定義の向きに一致するので,電流の向きの
補正のためのマイナスをつける必要がなくなるのです.

「微積を使う交流回路」では,コイルを電池ではなく回路素子と
みなすことにします.
よって,(2)の式にマイナスはつきません.



さらに,数学の準備をします.

三角関数の微分

( sin(f(x)) )' = f'(x) cos(f(x)) (5)
( cos(f(x)) )' = -f'(x) sin(f(x)) (6)

三角関数の積分(三角関数の微分の式の両辺を積分することにより得る)

∫cos(f(x))dx = (1/f'(x))sin(f(x)) (5)'
∫sin(f(x))dx = - (1/f'(x))cos(f(x)) (6)'
(ただし,f(x)は1次式とする)

これだけ押さえておけば微分積分を使い交流を理解することができます


● 抵抗,コイル,コンデンサーの電圧を微積を使って求める

今から微積を使って考えていきます. 微積を使えば,抵抗,コイル,コンデンサーの電圧をわざわざ覚える必要がなくなります.

電流をi=I sin(ωt + α)とする.(αが入っているのでこれは交流回路の電流を一般的に表している.詳しい理由はここ.)


まず,抵抗について考えます.
抵抗の電圧の定義式V = R I (1)に,電流i=I sin(ωt + α)を代入すると,
V = R I sin(ωt + α) (7)
を得る.
これが交流回路での抵抗の電圧です.(これは単に代入しただけですから簡単ですね)

次に,コイルについて考えます.
コイルの電圧の定義式V = L (d I / dt ) (2)に,電流i=I sin(ωt + α)を代入すると,
V = L (d(I sin(ωt + α))/dt)
となる.
ここで,d(I sin(ωt + α))/dtの計算をします.
( sin(f(x)) )' = f'(x) cos(f(x)) (5)より,
d(I sin(ωt + α))/dt
= I d(sin(ωt + α)) (I は定数だから外に出した)
= I (ωt + α)' cos(ωt + α) (f(x)=ωt + α , f'(x)=(ωt + α)'=ω)
=ωI cos(ωt + α)

よって,V = ωL I cos(ωt + α)
を得る.
これが交流回路でのコイルの電圧です.(電流の微分のところで三角関数が出てるのでちょっと厄介ですね)

最後に,コンデンサーについて考えます.
コンデンサーの電圧の定義式V = Q / C (3)に,抵抗やコイルのように電流i=I sin(ωt + α)を代入したいのですが 電流の式がコンデンサーの電圧の定義式に含まれていません.
そこで,今から電圧の定義式を電流の式が出てくるように変形します.
電流の定義はI = dQ / dt (4)
この式の両辺にdtを掛ければ,dQ = I dt となる.
この式の意味は,微小時間dtに流れていく微小電気量dQは 電流 Iと微小時間dtの積に等しいということです.だからこの式で,微小時間dtでの微小電気量dQを全ての時間で足し合わせていけば(積分すれば), 全体の電気量Qを求めることができます.
式で書けばこういうことです.
∫dQ = ∫I dt
⇒Q = ∫I dt (4)' (この式も電流の定義を表している)
以上で,QをIの式で表すことができました.

このとき,(4)'を(3)に代入すると,
V = ∫I dt / C
となる.
この式に,電流i=I sin(ωt + α)を代入をすれば,
V = ∫I sin(ωt + α)dt / C
となる.

ここで,∫I sin(ωt + α)dtの計算をします.
∫sin(f(x))dx = - (1/f(x))cos(f(x)) (6)'より,
∫I sin(ωt + α)dt
=I∫sin(ωt + α)dt(I は定数だから外に出した)
= - I (1/(ωt + α)') cos(ωt + α) (f(x)=ωt + α , f'(x)=(ωt + α)'=ω)
= - I (1/ω) cos(ωt + α)

よって,V = -(1/ωC) I cos(ωt + α)
を得る.
これが交流回路でのコンデンサーの電圧です.(積分の意味を考えて新しく電流の定義を導くところと三角関数の積分が厄介です)

(補足)上の積分の計算で不定積分を行ったとき,積分定数を0とした.なぜなら,もし積分定数が0でなくI0(≠0)だとしたら, 常にコンデンサーに定常電流が存在することになる.しかし,これは明らかに起こり得ない.よって,I0=0(コンデンサーに定常電流は存在しない)とした.


最後に,電圧の求め方をまとめます.
<Point>抵抗,コイル,コンデンサーの電圧を微積を使って求める方法
  1. 電流を適当に設定する(たとえば,i=I cos(ωt + α))
    (もちろん,問題文で電流が指定されているならそれに従う)
  2. 抵抗,コイル,コンデンサーの電圧の定義式(式(1),(2),(3))に1で設定した電流を代入する

<問題1>
電流をi=I sin(ωt + α)として,抵抗,コイル,コンデンサーの電圧を求めよ.

<解答>
上の説明を参照.(自分で導けるようにする)


交流回路の位相差

● 位相差の意味について

交流回路では,抵抗,コイル,コンデンサーで位相差があるという話が出てきます.
位相とは三角関数の角度にあたる部分です.位相差とはふたつの式の位相の差をさしています.

たとえば,電流 i = I sin(ωt + α) の位相はωt + α, コンデンサーの電圧 V =(1/ωC) I sin(ωt + α + β) の位相はωt + α+ βであり,電流に対するのコンデンサーの電圧の位相差は ⊿θ=(ωt + α+ β)-(ωt + α)= βとなる.

<位相差を考えるときの注意>
位相差を考えるとき,ふたつの式の三角関数が同じなら位相以外の部分が違っていてもよい.(上の例で,電流は i = sin(ωt + α)であり,コンデンサーの電圧はV =(1/ωC) I sin(ωt + α + β)と sinにかかっている値が違っているけれど位相差を考えるときには関係ない)
しかし,三角関数が同じでない(一方が+sinのとき,もう一方が-sin,+cos,-cos)なら位相差を考えることができないので,同じ三角関数にしてから位相差を考える
(上の例では,電流,コンデンサーの電圧の三角関数が同じ +sinなのですぐに位相差を考えることができた)

位相差の求め方をPointにします.
<Point>位相差を求める
  1. 三角関数を同じ型にする
  2. 式A,式Bの位相を求める
  3. Aに対するBの位相差=(Bの位相)-(Aの位相)に代入する


ここからが本題になりますが,位相差がわかると何がわかるのでしょうか?
まず,位相の意味は,位相とは三角関数の角度の部分だから,位相は三角関数の値を定めると考えることができます.
このとき,位相差の意味は,位相の値が違うのだから,位相差は三角関数の値がどれだけ違う値を取るかを決めると考えることができます.

上のような位相差の解釈はわかりやすいですが,物理現象を考えるのに適した考え方であるとは限りません.そこで,具体例を通して物理現象に適した位相差の意味について考えていきます.

y1= A sin (ωt ),y2= B sin (ωt + π/2)
のふたつの式において,
(y1の位相)=ωt ,(y2の位相)=ωt + π/2
であり,y1に対するy2の位相差は,
位相差⊿θ=(ωt + π/2)-(ωt)=π/2

この位相差は上で考えた位相差の意味をふまえれば,y2はy1に対して位相差π/2分だけ値が常に異なることを意味しています.
図にするとこちらのようになります.(図は新しいウインドウで開きます)
確かに位相差の意味どおりに,どんな時刻でも常にy2はy1に対して位相差π/2分だけ値が常に異なっています.
しかし,このような位相差の考え方を物理現象に適用してもあまり意味がない(現象が見えてこない)ので,位相差があることによって何が起きているかを別の見方で考えていきます.
図を見ると,y2は位相が常にπ/2大きいので,常にy2が最大値をとってから一定時間(=(π/2)/ω(角速度の定義から求めた))経過した後で,y1が最大値をとることがわかります.

つまり,位相差は最大値をとる時刻の違いを表していると考えることができます.
(最初の位相差の解釈はある時間に注目して考えたもので,二つ目の解釈は変位が最大値をとる時間に注目して考えたものです)
<Point>位相差

位相差は最大値をとる時刻の違いを表している.
よって,Aに対してBが常に正の位相差があれば,常にBはAより先の時刻に最大値を取り,Aに対してBが常に負の位相差があれば,常にBはAより後の時刻に最大値を取ることわかる.

この位相差の考え方を定常状態の直流回路と交流回路に適用すると,次のようにそれぞれの回路の違いが見えてきます.

定常状態の直流回路では,電流が最大値を取るとき電圧も最大値を取る.
一方,交流回路において電流と電圧に位相差があるとき,電圧が最大値のときに電圧は最大値を取らない.
このことから,交流回路は定常状態の直流回路と違って複雑な働きをしてるだろうと推測できる.


電流に対する抵抗,コイル,コンデンサーの電圧の位相差を求める準備として次の問題を解いてください.(ただの数学の問題です)
<問題2>
y0 = sin(ωt + α), y1 = sin(ωt + α), y2 = - sin(ωt + α),
y3 = cos(ωt + α), y4 = - cos(ωt + α) とする.
このとき,y0に対するy1,y2,y3,y4の位相差を求めよ.
また,y0~y4が最大値を取る順番を求めよ.


<解答>
Point位相差を求める に従って考えます.

Step1.y1~y4をy0の三角関数の型(+sin)と同じにする
y1はy0と同じ型なのでO.K.
y2は,-sin(θ) = sin(θ+π)を使い,
y2 = sin(ωt + α+ π)
y3は,cos(θ) = sin(θ+π/2)を使い,
y3 = sin(ωt + α+ π/2)
y4は,-cos(θ) = sin(θ-π/2)を使い,
y4 = sin(ωt + α+ π/2)
(三角関数の型を変換する式は,左辺の値が+sinのどの位相の値に対応するか単位円またはグラフで考えれば良い)

Step2.y0~y4の位相を求める
(y0の位相)=ωt + α,
(y1の位相)=ωt + α,
(y2の位相)=ωt + α+ π,
(y3の位相)=ωt + α+ π/2,
(y4の位相)=ωt + α- π/2

Step3.y0に対するy1~y4の位相を求める
(y0に対するy1の位相差)=0
(y0に対するy2の位相差)=π
(y0に対するy3の位相差)=π/2
(y0に対するy4の位相差)=-π/2


Point位相差 をふまえれば,最大値を取る順番は
y2→y3→y0→y4となる.


● 抵抗,コイル,コンデンサーの位相差を求める

さて,ここから抵抗,コイル,コンデンサーの位相差を求めて行きます.

抵抗,コイル,コンデンサーの電圧を微積を使って求めるで求めたように,
回路の電流がi=I sin(ωt + α)のとき,
抵抗の電圧:VR = R I sin(ωt + α)
コイルの電圧:VL = ωL I cos(ωt + α)
コンデンサーの電圧: VC = -(1/ωC) I cos(ωt + α)
となります.

位相差を考えるために,三角関数の型をそろえると(<問題2>の解答参照),
回路の電流がi=I sin(ωt + α)のとき,
抵抗の電圧:VR = R I sin(ωt + α)
コイルの電圧:VL = ωL I sin(ωt + α + π/2)
コンデンサーの電圧: VC = (1/ωC) I sin(ωt + α- π/2)

このとき,位相差はそれぞれ
(電流の位相)=ωt + α,(抵抗の電圧の位相)=ωt + α,
(コイルの電圧の位相)=ωt + α + π/2,
(コンデンサーの電圧の位相)=ωt + α- π/2
なので,
(電流に対する抵抗の電圧の位相差)= 0
(電流に対するコイルの電圧の位相差)= +π/2
(電流に対するコンデンサーの電圧の位相差)=-π/2
となる.

位相差の意味を考えれば,
交流回路では,電流と抵抗の電圧は同じタイミングで最大値を取り,電流に対してコイルの電圧は位相差+π/2の分だけはやく最大値を取り,電流に対してコンデンサーは位相差-π/2の分だけおそく最大値を取ることが分かる.

ちなみに,コイルの電圧が最大のときには電流は最大に達していないという位相差の意味は,コイルは自己誘導により逆起電力が生じるため最大電圧をかけてもすぐには最大電流にはならないという性質に対応しています.

コンデンサーの電流が電圧より先に最大になるという位相差の意味は,コンデンサーに電流が流れ電荷がたまり,電圧が生じるという性質(電流が流れるほうが,電圧が生じるより時刻が常に先になる)に対応しています.

交流回路の動的なイメージがほしい人は,ここが参考になると思います(JAVAを使って位相差の意味が見えるように説明されています).

実効値とはなにか?

実効値とは,交流の電圧,電流などのように,時間的に変化するものの大きさを示す値の一つで,平均電力が等しくなる直流に換算した値です.わかりやすく言うと,実効値とは交流回路を直流的に考えるために導入したものなのです.

高校物理では,交流回路に微積を使わないので実効値を使い考えることがメインになります.しかし,実効値を使えば直流的に考えることができるとはいっても,実際には交流回路を扱っているので直流回路とまったく同じようにはいきません.そのため,微積を使わずに交流回路を解こうとすると多くの暗記が必要となります.

ここでは,とりあえず実効値を導入します.

回路の電流がi=I sin(ωt + α)のとき,
抵抗の電圧:VR = R I sin(ωt + α)
コイルの電圧:VL = ωL I sin(ωt + α + π/2)
コンデンサーの電圧: VC = (1/ωC) I sin(ωt + α- π/2)

このときsin,cosがくっついているのはわずらわしいのでそれぞれの電流,電圧の最大値を取る
電流の最大値:iMax= I
抵抗の最大電圧:VR,Max = R I
コイルの最大電圧:VL,Max = ωL I
コンデンサーの最大電圧: VC,Max = (1/ωC) I

さらに,直流らしく考えるために(電流,電圧の実効値)=1/√2× (電流,電圧の最大値) を取る
電流の実効値:ie=1/√2× iMax=1/√2× I
抵抗の電圧の実効値:VR,e = 1/√2× VR,Max= 1/√2× R I= R ie
コイルの電圧の実効値:VL,e = 1/√2× VL,Max = 1/√2× ωL I = ωL ie
コンデンサーの電圧の実効値: VC,e = 1/√2× VC,Max = 1/√2× (1/ωC) I = (1/ωC) ie
電流計,電圧計の値は実効値

<Point>実効値
  1. 電流,電圧の最大値を取る
  2. (電流,電圧の実効値)=1/√2×(電流,電圧の最大値)を行う
(注)実効値は最大値を1/√2倍しただけなので,実効値で成立することは最大値でも成立するし,最大値で成立することは実効値でも成立する.

いやに気軽というか簡単に実効値を導入してしまいましたが,この導入には二つの問題があります.それは上でアンダーラインが引かれている部分です(どこがおかしいかわかりますか?).そこに交流回路に微積を用いないと暗記が必要になる理由が隠されています.

一つ目のアンダーラインの部分については,後で実際に電圧の計算をするとき(「RLC直列回路」)に考えることにして,ここでは参考として二つ目のアンダーラインの部分の説明をしましょう.

二つ目のアンダーラインの部分で疑問なのは何で最大値の1/√2倍が実効値になるのかということです.これは,一番始めに書いたように実効値は平均電力が等しくなる直流に換算した値なので実際に消費電力を求めて正しいかどうか確認しましょう.

<参考>消費電力を求める
(ハイレベルの大学では結果を暗記するだけでなく計算ができることが求められます)

回路の電流がi=I sin(ωt + α)のとき,
抵抗の電圧:VR = R I sin(ωt + α)
コイルの電圧:VL = ωL I cos(ωt + α)
コンデンサーの電圧: VC = -(1/ωC) I cos(ωt + α)

(消費電力P)=(電圧V)×(電流i)なので,

抵抗の消費電力:PR= RI2 (sin(ωt + α))2 =1/2 RI2 (1 - cos 2(ωt + α))
このとき,1周期(t=0~t=T(=2π/ω))での抵抗の消費電力は,PRを1周期分時間積分を行えば,
(1周期分の抵抗の消費電力)= 1/2 RI2 * T となります。
このとき、平均の抵抗の消費電力は、
(平均の抵抗の消費電力)=(1周期分の消費電力)÷(1周期 T)
= 1/2 RI2 = (1/√2× R I) × (1/√2× I)
= (抵抗の電圧の実効値)×(電流の実効値)

となっている.
つまり,最大値の1/√2倍を実効値として導入して問題はない.
(厳密には,電力は電圧や電流の2乗に比例するから,実効値を求めるには,2乗し平均をとったものの平方根を計算すればよい.(これは上の説明で納得できない人用の説明です))

コイルの消費電力:PL= ωLI2 (sin(ωt + α)cos(ωt + α)) =1/2 ωLI2 (sin 2(ωt + α))
このとき,1周期(t=0~t=T(=2π/ω))でのコイルの消費電力は,PLを1周期分時間積分を行えば,
(1周期分のコイルの消費電力)= 0となるので、
(平均のコイルの消費電力)= 0
(注意)1周期全体では消費電力はないが瞬間瞬間ではPLのように消費電力は存在している.

コンデンサーの消費電力:PC= -(1/ωC)I2 (sin(ωt + α)cos(ωt + α)) =- 1/2 (1/ωC)I2 (sin 2(ωt + α))
このとき,1周期(t=0~t=T(=2π/ω))でのコンデンサーの消費電力は,PCを1周期分時間積分を行えば,
(1周期分のコンデンサーの消費電力)= 0となるので、
(平均のコンデンサーの消費電力)= 0
(注意)1周期全体では消費電力はないが瞬間瞬間ではPCのように消費電力は存在している.

<さらに補足>
コイル,コンデンサーでは消費電力が0になっているけれど,実効値はどうなったんだと思うかもしれません.
実効値は交流回路を直流的にしたものですが,完全に直流とは一致していません.
正確には電流に対する電圧の位相差がφのとき,
(消費電力)=(電圧の実効値)×(電流の実効値)×cosφ
となっていて,
コイル,コンデンサーでは位相差がπ/2なので消費電力は0になっています.


電流の流れにくさを表す

実効値とはなにか?」で実効値を導入しました.実効値とは,交流を直流的に考えるために導入したものです.

直流回路には,抵抗と呼ばれる電流の流れにくさを表す量が存在しています.実効値が直流的なものならば,抵抗に対応するものが存在するはずです.だから今から,交流回路において抵抗に対応するものを定義しましょう.

直流回路では,(電圧)=(抵抗)×(電流)という形を取っていました.
だから,この類推として交流回路において抵抗に対応するのは,
(電圧の実効値)=(交流回路の抵抗)×(電流の実効値) -(*)
となると考えられます. このことをふまえて,抵抗,コイル,コンデンサーにおける電流の流れにくさを表す量を定義します.

回路の電流がi=I sin(ωt + α)のとき,
抵抗の電圧:VR = R I sin(ωt + α)
コイルの電圧:VL = ωL I sin(ωt + α + π/2)
コンデンサーの電圧: VC = (1/ωC) I sin(ωt + α- π/2)

最大値を取って,
最大電流:i=I
抵抗の最大電圧:VR = R I
コイルの最大電圧:VL = ωL I
コンデンサーの最大電圧: VC = (1/ωC) I

両辺を 1/√2 倍して実効値を取る.
電流の実効値:ie=1/√2×I
抵抗の実効値:VR,e = R ie
コイルの実効値:VL,e = ωL ie
コンデンサーの実効値: VC,e = (1/ωC) ie

(*)より,交流回路において電流の流れにくさを表す量はそれぞれ次のようになる.
抵抗:R(抵抗と呼ぶ),コイル:ωL(リアクタンスと呼ぶ),コンデンサー: 1/ωC(リアクタンスと呼ぶ)


また,抵抗,コイル,コンデンサー単独ではなくて,回路全体で,
(回路の電圧の実効値)=(交流回路全体の抵抗)×(回路の電流の実効値)
が成立するとき,
交流回路全体の抵抗部分はインピーダンスと呼ばれる.

<Point>電流の流れにくさ

交流回路における電流の流れにくさは,下の式の(交流回路の抵抗)の部分で表わされる.
(電圧の実効値)=(交流回路の抵抗)×(電流の実効値)


交流回路の具体例

● RLC直列回路

ここからは,実際に交流回路を実際に解いてもらいます.そして,問題を通して微積を使えばインピーダンスなどをわざわざ暗記する必要はないということと,実効値の図形的意味(「実効値とはなにか?」で保留した問題)について知ってもらいます.

<問題3>はインピーダンスを暗記する必要が無いことをわかってもらうための問題です.
<問題3>
電流i = I0 sin(ωt)のとき,下のRLC直列回路のAB間の電位差VABを求めよ.
また,Ve = Z Ie をみたすインピーダンスZを求めよ.(Ve,Ieは実効値)
RLC直列回路

<解答>
まず,AB間の電位差VABを求める.
i = I0 sin(ωt)のとき,
VR=Riより,VR=RI0 sin(ωt)
VL=L(di/dt)より,VL=ωLI0 cos(ωt)
VC=∫i dt / Cより,VC=-(1/ωC)I0 cos(ωt)

VAB=VR+VL+VCが成立するので,それぞれの値を代入して,
VAB=RI0 sin(ωt) + (ωL-(1/ωC))I0 cos(ωt)
=√(R2+(ωL-(1/ωC))2) I0sin(ωt+φ) (電流に対する電圧の位相差はφ,tanφ=(ωL-(1/ωC))/R)
←a sinθ + b cosθ =√(a2+b2) sin(θ+φ) (tanφ=b/a)

次に,Ve = Z Ie をみたすインピーダンスZを求める.
<point>実効値にしたがって考える.
Step1.i,VABの最大値をとる.
iMax= I0
VAB,Max=√(R2+(ωL-(1/ωC))2) I0←sin(ωt+φ)=1のとき最大
Step2.(電流,電圧の実効値)=1/√2×(電流,電圧の最大値)を行う
Ie=(1/√2)iMax=(1/√2)I0
Ve=(1/√2)VAB,Max=√(R2+(ωL-(1/ωC))2)(1/√2) I0

よって,
Ve=√(R2+(ωL-(1/ωC))2)Ieが成立するので,
インピーダンスZ=√(R2+(ωL-(1/ωC))2)となる.←微積を使えば暗記の必要はない

<問題4>は<問題3>と中身は同じですが,実効値の図形的意味を知ってもらうための問題です.
<問題4>
電流の実効値がIeのとき,下のRLC直列回路においてAB間の電位差の実効値VAB,eを求め,VAB,e = Z Ie をみたすインピーダンスZを求めよ.
RLC直列回路
<解答?>
まずは典型的な誤答から.
抵抗の電圧の実効値:VR,e = R ie
コイルの電圧の実効値:VL,e = ωL ie
コンデンサーの電圧の実効値:VC,e = (1/ωC) ie
が成立する.
このとき,
VAB,e = VR,e + VL,e + VC,eが成立するので,
VAB,e = R ie + ωL ie + (1/ωC) ie = ( R+ωL+(1/ωC))ie
よって,インピーダンスZは,R+ωL+(1/ωC)となる.

上の解答は<問題3>の結果とは違っているので間違いですが,どうして間違ってしまったのか分かりますか?
間違えてしまったのは,「実効値とはなにか?」で実効値を導入したときに説明を保留した部分,sin,cosがくっついているのはわずらわしいのでそれぞれの電流,電圧の最大値を取る,を考慮しなかったためなのです.今からこの保留した問題点について解説します.

何が問題なのかと言うと, 実効値⇔最大値なので,実効値の式は電流i,電圧VR,VL,VCが全て最大のときに成立する式です.しかし,電流,電圧間には位相差が存在している(最大値をとる時刻が違う)ので,全ての式が同時に最大値をとることは無いのです.
だから,実効値(⇔最大値)で考えるときには位相を含めて考えなくてはならない(実効値は交流を直流的に考えるために導入したが,実効値を使って電圧を計算するときには直流と同じように単に足し合わせる(スカラー和をとる)方法は使えない).

位相を含めて考えるために,実効値を使って電圧の計算をするときには,sin,cosのかわりにベクトル表示が使われます.ベクトル表示とは,電流,電圧をベクトルとして考えるもので,大きさは実効値の大きさ,向きは位相によって決まります.

例えば,電流に対して電圧の位相差がφのとき,電圧のベクトルは,電流のベクトルから反時計回りにφ回転した向きに書く[図2].電圧の計算をするときにはベクトル和を考えることよって,三角関数の代用をすることができるのです.
   ベクトル表示
[図2]ベクトル表示
ではここから実際にベクトル表示を使い<問題4>を解きましょう.
<解答>
電流に対して,抵抗の電圧の位相差は0で,コイルの電圧の位相差は +π/2,コンデンサーの電圧の位相差は-π/2なので,ベクトル表示は次のようになる[図3].
RLC直列回路のベクトル表示
[図3]RLC直列回路のベクトル表示

このとき,3つのベクトルの和を取ると,AB間の電位差の実効値VAB,eは[図4]の赤矢印の大きさで,電流に対する電圧の位相差はφとなる.
RLC直列回路の電圧の実効値
[図4]RLC直列回路の電圧の実効値


よって,三平方の定理より,VAB,e=√(R2+(ωL-(1/ωC))2)Ie(tanφ=(ωL-(1/ωC))/R)
インピーダンスZ=√(R2+(ωL-(1/ωC))2)となる.←微積を使ったときと同じ結果


最後にアドバイス

以上で,微積を使う交流回路の講義は終わります.微積を使えば交流回路で覚えなくてはいけないことはほとんどないということがわかってもらえたでしょうか?交流回路は出題率が低いですからわざわざ暗記するより,微積を使ったほうがコストパフォーマンスは良いのではないでしょうか.

とりあえず,交流回路で最低限必要になることは全て解説しました(電気振動についてはふれませんでしたが,ばね振り子の類推で考えれば特に問題はないでしょう).後は,それぞれ自分の使っている問題集で演習をすれば十分です.

より深く交流回路を学びたい人は新・物理入門などの微積を使って物理を解説している参考書・問題集を参考にしてみてください.]]>
em doraneco5675 2006-01-05T21:36:41+09:00
数学が解き明かした物理の法則 http://doraneco.com/physics/books/ippan/4860640438.html
数学が解き明かした物理の法則―ニュートンの『プリンキピア』から量子力学まで 数学的着想と自然観の変遷
数学が解き明かした物理の法則―ニュートンの『プリンキピア』から量子力学まで 数学的着想と自然観の変遷
大上 雅史,和田 純夫
ベレ出版 (2003/12)
おすすめ度:おすすめ度:4.5/5点 4.5点
おすすめ度:4/5点:数学と物理の関係をざっと見る
おすすめ度:4/5点:ありがたや、微分
おすすめ度:5/5点:ニュートンのプリンキピアへの入門書!
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ippan doraneco5675 2006-01-05T19:56:41+09:00
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link doraneco5675 2005-10-24T16:56:27+09:00
橋元の理系物理IB・II頻出問題解法 http://doraneco.com/physics/books/kiso2/4053003911.html 橋元の理系物理IB・II頻出問題解法―イメージで解く
橋元の理系物理IB・II頻出問題解法―イメージで解く
橋元 淳一郎
学研 (1997/07)
おすすめ度:おすすめ度:4.6/5点 4.6点
おすすめ度:5/5点:橋元先生ありがとう!!
おすすめ度:5/5点:是非やるべしぃ!
おすすめ度:5/5点:「橋元流解法の大原則」対応演習書
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橋元ファン向けの一冊
橋元先生が標準レベルの入試頻出問題の解説をしています。解法の大原則で扱わなかった分野も扱っているので、橋元先生のやり方を好きな人なら、物理のエッセンスの代わりとして使うとよいでしょう。
ただし、物理のエッセンスやらくらくマスターと違い教科書レベルからやや易レベルの問題が少ないので別の問題集で補完する必要があります。学校で教科書レベルを終えているのなら、すぐにこの問題集をやり始めても問題はありません。
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kiso2 doraneco5675 2005-03-26T14:37:04+09:00
大学受験精選物理IB・II問題演習 http://doraneco.com/physics/books/nyuusi1/4010341416.html 大学受験精選物理IB・II問題演習
 大学受験精選物理IB・II問題演習
中川 雅夫
旺文社 (2000/03)
おすすめ度:おすすめ度:4.33/5点 4.33点
おすすめ度:5/5点:大事なポイントがつまっている
おすすめ度:4/5点:中級を固めるのに良いです。
おすすめ度:4/5点:お勧めですよ~。
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質・量のバランスがとれた一冊
(注)旧課程の参考書です
構成は、導入として各分野のポイントと解説の後、問題演習という構成になっています。
導入にある解説は深いレベルのことも書かれているので、自分なりの体系を深めるのに役立ちます。
問題は入試標準レベルが中心で、問題数は多すぎず少なすぎず使いやすいです。
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nyuusi1 doraneco5675 2005-03-26T14:26:20+09:00
漆原晃の物理 物理I・II明快解法講座 http://doraneco.com/physics/books/kiso2/4010341866.html 漆原晃の物理 物理I・II明快解法講座
漆原晃の物理 物理I・II明快解法講座
漆原 晃
旺文社 (2005/04)
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おすすめ度:5/5点:受験に向けての物理入門書
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最低限必要なことを網羅できる一冊
現象、法則、解法パターンの説明と重要問題の演習という構成になっています。全体の雰囲気は橋元先生に近く、クセのない橋元式といった感じです。エッセンスのように問題数が多く、説明が硬い本ではやりにくいと感じている人におすすめです。
ただし、この本は問題数が少ないので、他の本や過去問で問題演習をきちんとする必要があります。 学校で問題集を使っているのならそれを問題演習用にするとよいでしょう。学校で使うような問題集は現象、法則、解法パターンの解説が少ないので、ちょうどこの本で補完ができます。
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kiso2 doraneco5675 2005-03-26T14:21:12+09:00
物理のエッセンス http://doraneco.com/physics/books/kiso2/4777201058.html 物理のエッセンス力学・波動―新課程対応
物理のエッセンス力学・波動―新課程対応
浜島 清利
河合出版 (2004/07)
おすすめ度:おすすめ度:5/5点 5点
おすすめ度:5/5点:一気に成績が・・・
おすすめ度:5/5点:おすすめーー
おすすめ度:5/5点:最高
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物理のエッセンス電磁気・熱・原子―新課程対応
物理のエッセンス電磁気・熱・原子―新課程対応
浜島 清利
河合出版 (2004/07)
おすすめ度:おすすめ度:5/5点 5点
おすすめ度:5/5点:いいですーー
おすすめ度:5/5点:最高
おすすめ度:5/5点:困難は分割せよ
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基本問題を体系的に身につける
法則と問題の解法パターンの解説の後、問題演習という構成になっています。
解法パターンは癖がなく、うまくまとめられています。問題は1問1問狙いを持って選ばれた本質を突く良問です。また網羅度もこのレベルの問題集では一番高くなっています。
エッセンスをマスターすれば、入試問題を解くための準備は終わったと言ってよいでしょう。
この本の問題は入試問題を解くために必要な基本問題なので、なんとなく答えを出せるぐらいではなく、自分なりの視覚化・体系化の方法を使ってキチンと答えを出すことができるまでしっかりとマスターすることが大切です。
この本をメインに使う人でなくても、問題の解き方の手順がわかりやすくまとめられているので、解法マニュアルとして使えます。
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kiso2 doraneco5675 2005-03-26T14:17:56+09:00
らくらくマスター物理I・II http://doraneco.com/physics/books/kiso1/4777200094.html らくらくマスター物理I・II―新課程対応
らくらくマスター物理I・II―新課程対応
河合塾物理科
河合出版 (2003/12)
おすすめ度:おすすめ度:3/5点 3点
おすすめ度:3/5点:通学時間とかに
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苦手意識がある人向け解法パターン習得本
教科書例題レベルの問題が多く、物理が苦手な人でも使いやすい問題集です。
高認(大検)合格・中堅大学を目指す物理の苦手な受験生が解法パターンを習得するための本としておすすめします。
橋元はじめからていねいにや浜島の物理の実況中継と併用して理解度を高めれば、中堅大学で合格点を十分越えます。
ただし、この本は問題集の色合いが強く、これだけでは物理の視覚化・体系化が効率的に身につきません。中堅大学で高得点をとりたい、または、難関大学以上を目指すなら、解説が体系的な物理のエッセンスを使う方が良いでしょう。
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kiso1 doraneco5675 2005-03-26T14:07:49+09:00
橋元淳一郎の物理橋元流解法の大原則 http://doraneco.com/physics/books/rikai/4053019168.html 橋元淳一郎の物理橋元流解法の大原則―試験で点がとれる (1)
橋元淳一郎の物理橋元流解法の大原則―試験で点がとれる (1)
橋元 淳一郎
学研 (2004/07)
おすすめ度:おすすめ度:4/5点 4点
おすすめ度:4/5点:さすが有名所!
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橋元淳一郎の物理橋元流解法の大原則―試験で点がとれる (2)
橋元淳一郎の物理橋元流解法の大原則―試験で点がとれる (2)
橋元 淳一郎
学研 (2004/09)
おすすめ度:おすすめ度:4.5/5点 4.5点
おすすめ度:5/5点:最高です。
おすすめ度:4/5点:よくわかります
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物理の直感的なイメージを身につけたい人に
物理を直感的に理解できるように、たとえ話を交えて解説をしています。
問題の解き方についても詳しく書かれていますが、分野によっては橋元さん独自の解説がされているところ(特に単振動)があるため逆に理解しにくいと思う人もいるでしょう。
基本的に、この本はクセがあります。無理に最初から最後までやるのではなく、概念がピンとこない所が出たらこの本を見て感覚的に理解する、という使い方がおすすめです。
もし橋元さんの問題の解き方がわかりやすいと思うのなら、最初から最後まで通してやっても良いでしょう。
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rikai doraneco5675 2005-03-26T13:59:31+09:00
浜島物理I・II講義の実況中継 http://doraneco.com/physics/books/rikai/487568620X.html NEW浜島物理I・II講義の実況中継―高校物理 (上)
NEW浜島物理I・II講義の実況中継―高校物理 (上)
浜島 清利
語学春秋社 (2005/03)
おすすめ度:おすすめ度:評価なし/5点 評価なし
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NEW浜島物理I・II講義の実況中継―高校物理 (下)
NEW浜島物理I・II講義の実況中継―高校物理 (下)
浜島 清利
語学春秋社 (2005/03)
おすすめ度:おすすめ度:評価なし/5点 評価なし
エッセンスとのセットで効果を発揮
実況中継シリーズの長所である<話し言葉での講義>なので、教科書レベルを軽くやっただけの人でも読みやすくなっています。
この本の問題と物理のエッセンスの問題は重複しているので、話の流れをこの本で押さえてから物理のエッセンスを使うと効果的です。
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rikai doraneco5675 2005-03-26T13:53:55+09:00
橋元の物理をはじめからていねいに http://doraneco.com/physics/books/rikai/4890853219.html 橋元の物理をはじめからていねいに―大学受験物理 (力学編)
橋元の物理をはじめからていねいに―大学受験物理 (力学編)
橋元 淳一郎
ナガセ (2004/11)
おすすめ度:おすすめ度:5/5点 5点
おすすめ度:5/5点:物理では思考の参考書です
おすすめ度:5/5点:いいですよ
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橋元の物理をはじめからていねいに―大学受験物理 (熱・波動・電磁気編)
橋元の物理をはじめからていねいに―大学受験物理 (熱・波動・電磁気編)
橋元 淳一郎
ナガセ (2004/12)
おすすめ度:おすすめ度:5/5点 5点
おすすめ度:5/5点:よい!!
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本当に知識ゼロの人でもわかる
まったく予備知識がない人でも理解できるように、初歩の初歩から現象、用語、法則、解法パターンを解説しています。
教科書や普通の初心者向けの参考書を読んでもさっぱりという人におすすめです。
この本が理解できなければ、物理をやっていくのは厳しいかも。
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rikai doraneco5675 2005-03-26T13:49:31+09:00
名問の森 http://doraneco.com/physics/books/nyuusi1/4877255982.html 名問の森物理 (力学・波動)
名問の森物理 (力学・波動)
浜島 清利
河合出版 (2005/05)
おすすめ度:おすすめ度:5/5点 5点
おすすめ度:5/5点:究極の物理問題集登場!
おすすめ度:5/5点:名門の森
おすすめ度:5/5点:難関大を目指すならぜひ!
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物理のエッセンス電磁気・熱・原子―新課程対応
物理のエッセンス電磁気・熱・原子―新課程対応
浜島 清利
河合出版 (2004/07)
おすすめ度:おすすめ度:4.86/5点 4.86点
おすすめ度:5/5点:極々
おすすめ度:4/5点:精選された問題
おすすめ度:5/5点:いいですーー
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物理のエッセンスを終えた人に
物理のエッセンスの著者の浜島先生の本です。
入試標準レベルからやや難しめまでの典型的な問題に加え、難系のリライト的な問題、最近の入試傾向にあった問題も掲載されていて網羅度はとても高くなっています。
解答もこのレベルの問題集としては、ていねいにわかりやすく書かれています。
ただ、この本は物理のエッセンスをやった人のための入試用問題集的な位置づけなのか、問題の解法パターンや現象・法則についての導入部分の解説があまりないのが残念です。 (名問の森に限らずこのレベルの問題集に共通することですが・・・)
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nyuusi1 doraneco5675 2005-03-25T14:33:41+09:00
微積が受験物理で役に立つ分野 http://doraneco.com/physics/studyskills/biseki.html

問題を解くときに微積が役に立つ分野

  • 単振動
    位置・速度・加速度・時間を求める
    二体問題(ばねの両端におもりをつけて振動させる)を解く

  • 交流回路
    抵抗・コイル・コンデンサーの定義を知っていればリアクタンス・位相差などを覚える必要がなくなる
    (詳しくは、微積を使う交流回路を見てください)
これらの分野では、微積を使うことで解法パターンで解くときよりも、明確に物理量を求めることができます。
たとえば、単振動:mx" = -k x の一般解がx = a sinωt + b cosωtとなることを知っていれば、初期条件を与えることで、任意の時刻の位置、速度、加速度を求めることができます。
解法パターンで解く場合は、力学的エネルギー保存則を使うので、任意の時刻での位置、速度を求めることはできません。

微積を使えば解法パターンを覚えなくても、数学的な操作で必要な物理量を一般的に求めることができます。
意欲がある人は微積を使って解く方法を研究することをおすすめします。


物理量を定義する、公式を導くときに微積が役立つ分野

  • 力学全般
    位置・速度・加速度の定義と計算
    運動方程式の定義と計算
    仕事の原理を導く、エネルギー保存則を導く
    運動量の原理を導く

  • 熱力学全般
    熱力学第1法則(エネルギー保存則)の計算
    →仕事を求める、ポアソンの公式を導く

  • 電気回路
    電流、回路素子の電圧、エネルギーの定義
    回路のエネルギー保存則を導く
    電磁誘導による誘導起電力を求める
以上が物理量や公式を理解するのに高校で習う微積が役立つ分野です。

これらは微積を使ったからといって簡単に問題が解けるようになるわけではありません。
たとえば、等加速運動の問題を解くときに微積を使った場合のメリットは、高校教科書で与えられている等加速運動の公式を覚えていなくても導けることであって、運動方程式を立てる段階で力を正確に図示できていなかったら問題は解けません。

しかし、微積を使うことにより高校物理ではあいまいになっている物理量の意味や公式と公式のつながりをキチンと理解することができます。また、状況設定が複雑なときに正しく法則(たとえば、エネルギー保存則)を立てることができるメリットがあります。


微分積分を使わないと解けない入試問題は存在するか?

受験物理に微分積分は必要か?で書いたように、高校の教科書では微分積分を使っていることをはっきりと書いていません。

そのため、入試問題は微分積分を使わなくても必ず解けるようになっているので、「微積を使わないと解けない問題があるのでは」という理由で微積を使う必要はありません。


<注>
一部の大学ではごくまれに、上に書いた物理量、法則が微積を使って定義され導かれていることを知っておかないと解けない問題が出題されることがあります。

たとえば、微積を使わないで問題を解くためには、⊿tが非常に短い時間であるとき、⊿sin(ωt) = ω cos(ωt) ・⊿tという近似式を与える必要がある問題で、この近似式が与えられていない問題が出題されたことがあるそうです。
教科書の範囲内で出題するという建前からしたら出題ミスの気がしますが・・・。
これぐらいは数3をやった理系なら分かっとけってことなんでしょうね。


このような問題に対応するには、⊿を使って定義される物理量、法則は微分・積分につながっていることを知っておく必要があります。
詳しくは、物理のための微積を参考にして下さい(ここに書かれていることを知っていれば充分です)。 ]]>
studyskills doraneco5675 2005-03-16T00:07:05+09:00
受験物理に微積は必要か? http://doraneco.com/physics/studyskills/bisekirongi.html
この記事では、物理においてなぜ微積を使うのか?そして、受験生は微積を使うべきか?について考えていきます。


高校物理での微積の扱い

高校の物理の教科書では目に見える形で微積は使われていません。

たとえば、厳密には速度は位置を時間tで微分したものと微分を使って定義します。
しかし、高校の物理の教科書には微積という言葉が使われず、瞬間の速度はΔr/Δtと定義されています(非常に短い時間Δtの間に物体が移動した量をΔrとしている)。
これは位置rを時間tで微分していると言っているのに等しいのですが、これが微分だとは高校の教科書には一言も書かれていません。
その結果として、この瞬間の速度の定義を平均の速度と同じものと勘違いしている高校生は多いのではないでしょうか。

他にも、微積を使わなければ厳密に説明できないことを、あいまいで天下り的に説明している部分がいくつかあります。

高校物理の教科書は、物理を厳密に記述するために必要な微積を使わずに、物理を体系化しているのです。それに従い多くの参考書では微積を使っていません。


「微積を使うべきかどうかの議論」の本当の論点

物理に微積を使うことは本質的には何を意味しているのかを考えていきます。

高校物理で微積を使っている代表的な参考書である、駿台文庫「新・物理入門」の序文には次のことが書かれています。

高校生とりわけ受験生用に書かれた物理の参考書の大多数が、(中略)物理学の論理性と実証性を完全に無視し、天下りに書かれた「公式」なるもののバラバラな羅列を高々それらの当てはめのテクニックに終始している。
やみくもに丸暗記させられてきた「公式」なるものが、実は原理から論理的・数学的に導き出されるものであり、同時にまた、物理的現実をよく表す法則の一表現形式であることを納得したとき、初めてその面白さが分かる。


この序文に書かれている主張はまったく正しいと思います。これが微積を物理に使う意義だと私は思います。
わかりやすく言いなおすと、物理に微積をはじめとする数学を使うことは、定義を厳密にして物理を体系的に理解することなのです。

「微積を物理に使うべきかどうかの議論」の本当の論点は、「厳密な定義で物理を理解すべきかどうか」にあるのです。


cf1. 受験生の間では微積物理という言葉が使われていますが、微積を使う物理とは別に独立して微積を使わない物理というものがあるわけではないです。[図1]にあるように厳密な定義の部分がブラックボックスになっているかどうかの違いだけで、他の部分については同じです。誤解している人がいるみたいなので注意してください。

微積を使う物理と使わない物理
[図1]微積を使う物理と使わない物理のイメージ


cf2.「微積を物理に使うべきかどうかの議論」には、「微積を使うと問題が解きやすくなる」という論点もあります。この論点に興味がある人は微積が受験物理で役に立つ分野を参照してください。


受験物理と厳密な定義

受験物理において、厳密な定義を理解することが必要なのかについて考えていきます。

まず私の考えを書きます。
厳密な定義を理解することが望ましい。しかし、受験の目標は限られた時間で合格に必要な問題を解けるようにすることなので、 時間対効果を考えた上で判断する必要がある。

考察するまでもないのですが、目標が物理の本質を理解することなら最初から微積を使って物理を理解することは有益です。しかし、受験本番までの時間は有限です。最初から厳密に理解しながら勉強するより短時間で効率的に得点力をつける方法があるのならそちらの方法をとるべきなのです。

以下では、この立場にたって受験生の学習段階別に考察をしていきます。

Case1 物理をまったく知らない~基礎固めをしている
このレベルの受験生は、現象・法則そのものを知らないので、どんな現象・法則があるのかを知る必要があります。

一般的に、知識がゼロに近い状態では抽象的な知識より具体的な知識のほうが理解しやすいことが知られています。
そのため、学習の初期段階では抽象的な厳密な定義を最初から学ぼうとするよりも、具体的な物理現象を通して現象・法則を理解していったほうが効率的だと考えられます。


Case2 入試対策をしている
このレベルになると、知らない現象・法則はほとんどなくなっているので、抽象的な厳密な定義を学ぶ準備はできているといえます。

しかし、準備ができているとしても、すべての受験生が微積を使って厳密な定義を学ぶべきかというと少し疑問があります。

それは次の疑問です。
 ・物理ができない原因は、微積を使っていないからだけなのか?
 ・普通の受験生が微積を使う物理に対応できるのか?

まずは、一つ目の疑問について考えてみます。
問題を解くときは、
 ・問われている現象を理解し、図で表す
 ・図で表した現象を式で表し、解く
という、ステップに分かれます。
微積が役立つのは図で表した現象を式で表し、解くというステップです。なぜなら、今までに書いてきたように法則の厳密な定義に微積などの数学が使われているからです。

「ということは、やっぱり微積は必要じゃないか!」という声が聞こえてきそうですが、私の経験だと、受験生が入試問題を解けない原因は、最初のステップができていない、つまり微積の能力とは無関係な読解能力の不足であることが多いです[図2]。受験物理では、状況設定が複雑でなければ二つ目のステップで迷うことはありません。
問題を解くときの手順
[図2]問題を解くときの手順

だから、微積を使う前に、まずは現象を図式化できるようにする必要があります

次に、二つ目の疑問について考えてみます。
高校生が物理を始めるのは基本的には2年生からで、この時点で微積を使いこなせる人は少ないし、さらに単に微積の計算ができるだけでは微積を使って物理現象を理解することはできない、という問題があります。

これを解決するには、独学で数学の問題を解くための微積の知識だけではなくて、物理現象を理解するのに役立つ微積の直観的な見方を身につけることが必要になります。
詳しく知りたい人は、物理のための微積を参考にしてください。


以上のことを考えると、基礎が身についた受験生であっても、下の二条件を満たしていない段階では、微積は使わないほうがよいと思います。
 ・現象を的確に図式化できる
 ・物理現象を理解するのに役立つ微積の直観的な見方ができる

cf. 物理の問題を解くときに微積を使う必要性を感じないのなら、微積を使う必要はありません。
「先生や友達が微積が必要だと言っている」とか、「微積を使うと頭がよさそう」という理由だけで使うのはどうかと個人的には思います。

もちろん、上に書いた理由がきっかけで微積を使いたいと思う人が多いと思います。しかし、厳密な定義に基づく物理はパターンを暗記する物理と違って能動的な学習が求められます。上に書いた理由だけでこのような学習が続けられるか疑問に思っています(特に独学の人は)。


まとめ

  • 高校物理では微積は使われていない
  • 物理に微積をはじめとする数学を使うことは、定義を厳密にして物理を体系的に理解すること
  • 微積そのものが抽象的でやさしい概念ではないので、物理を苦手にしている段階で無理に微積を使う必要はない
  • 現象を的確に図式化することができ、微積の直観的な見方を身につけたら、微積は物理のストーリーを理解する助けになるので必要に応じて取り入れるとよい
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studyskills doraneco5675 2005-03-15T23:05:48+09:00