30歳でもはまる児童文学

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チョコレート工場の秘密 (児童図書館・文学の部屋)

チョコレート工場の秘密 (児童図書館・文学の部屋)


ロアルド・ダール , J.シンデルマン , Roald Dahl , 田村 隆一[評論社]
現在、在庫がありません
ウィリー・ワンカはチョコレート工場経営者、いつも人目をさけている変わり者だ。その彼が、どういうわけか秘密の工場を見学させてくれることになった。この10年間で初めてのことだ。ただし、招待客はたったの5人だけ。ワンカ社特製チョコバーの包装紙の中に、金色の招待券を見つけた幸運な者だけが工場見学に参加できる。しかも、案内するのはワンカ自身だというのだ。

チャーリー・バケット少年は、この夢のような招待券を偶然手に入れた。道で1ドル紙幣を拾った彼は、どうしてもがまんできずに、あこがれのワンカのチョコバーを2本買ってしまう。そのお金があれば、貧しい家族に食べ物を買えることはわかっていたのに…。しかし2本目の包みを開けたとき、下の方でかすかに光るものを見つけたのだ!

その翌日、チャーリーはいよいよ工場の門をくぐる。一緒に行くのは、テレビっ子のマイク・テービー、お金持ちのお嬢様ベルーカ・ソルト、ガムが大好きなバイオレット・ボールガード、それに食いしん坊のオーガスタス・グループ。4人ともどこか頼りない。はたしてチョコレート工場の秘密とは何か、なぞめいた経営者ワンカとは何者なのか、その答えが5人の目の前でしだいに明らかになる。秘密のチョコレート工場はうわさ以上の、驚くべき場所だった。そしてそこでチャーリーを待ちうけていたのは、もう二度ともとの生活には戻れない運命だった。

『Charlie and the Chocolate Factory』(邦題『チョコレート工場の秘密』)は、あのロアルド・ダールによる奇想天外な作品。子どもたちが喜び、わくわくし、すっかりひきこまれること間違いなしの傑作だ。


ガラスのエレベーター宇宙にとびだす (評論社の児童図書館・文学の部屋)

ガラスのエレベーター宇宙にとびだす (評論社の児童図書館・文学の部屋)



おばけ桃の冒険 (評論社の児童図書館・文学の部屋)

おばけ桃の冒険 (評論社の児童図書館・文学の部屋)


ロアルド・ダール , N.E.バーカート , Roald Dahl , 田村 隆一[評論社]
在庫あり。 価格: 1,770円
事故で両親を亡くしたジェームズ・ヘンリー・トロッター少年は、スポンジおばさんとスパイキーおばさんという2人の意地悪なおばさんと一緒に暮らさなくてはならなくなった。3年が経つころには、「これほどかわいそうな少年はいない」ほどに。そんなある日、ジェームズは、深緑色のスーツを着た1人のおじいさんから、魔法の水晶玉の入った袋をもらう。それは、みじめなジェームズの生活を永遠に変えてしまうものだという。ところが、ジェームズはあやまって水晶玉を庭の枯れた桃の木にこぼしてしまう。しかし、これがジェームズの冒険の始まりだった。なんと枯れていた桃の木から1個の桃がぐんぐん成長し始めたのだ。やがてジェームズは巨大化した桃の中に入ると、意地悪なおばさんたちのもとを離れ、新しい世界へ出発する。ジェームズは元気な仲間と友だちになった。バッタにミミズ、クモのおねえさんにムカデ。みなそれぞれ自分の歌をもっている。

ロアルド・ダールの作品は想像力豊かで、登場するキャラクターたちもみな実にゆかいだ。読んで聞かせる親も飽きることはないし、子どもたちも何度も「読んで!」とせがんでくるだろう。本書をペーパーバック版として復刻するにあたっては、レーン・スミス(『The Stinky Cheese Man and Other Fairy Stupid Tales』や『The True Story of the Three Little Pigs』のイラストレーター)の手による白黒の鉛筆画が新たに書き加えられた。ディズニー社によるアニメ映画は、本書のイラストをもとに製作されている。これだけは断言できる――『James and the Giant Peach』(邦題『おばけ桃の冒険』)は児童文学の最高傑作だ。(9~12才児向け)


オ・ヤサシ巨人BFG (児童図書館・文学の部屋)

オ・ヤサシ巨人BFG (児童図書館・文学の部屋)


ロアルド・ダール , クェンティン・ブレイク , Roald Dahl , 中村 妙子[評論社]
在庫あり。 価格: 1,680円

魔女がいっぱい (児童図書館・文学の部屋)

魔女がいっぱい (児童図書館・文学の部屋)


ロアルド・ダール , クェンティン・ブレイク , Roald Dahl , Quentin Blake , 清水 達也 , 鶴見 敏[評論社]
現在、在庫がありません
本物の魔女と闘う7歳の男の子が主人公の、恐くておかしくて想像力豊かな、ロアルド・ダールの名作。「おとぎ話の魔女はいつも、黒い帽子と黒いマントのおかしな格好で、ホウキに乗っている。でもこれはおとぎ話じゃない。ここにいるのはREAL WITCHES(ホンモノの魔女)なのだ。REAL WITCHESはふつうの服装をしていて、ごくふつうの女の人に見える。ふつうの家に住んで、ふつうの仕事をしている。だからちょっとやそっとじゃわからないのだ」主人公の発見によると、魔女は子どもが嫌いだ。友だちと、その子のちょっと不思議なおばあさんに助けられて、主人公は自分がやられる前に、魔女たちの仮面をはごうとする。(7~12才向け)

マチルダはちいさな大天才

マチルダはちいさな大天才


ロアルド・ダール , クェンティン・ブレイク , Roald Dahl , Quentin Blake , 宮下 嶺夫[評論社]
現在、在庫がありません

コロボックル物語(1) だれも知らない小さな国 (児童文学創作シリーズ―コロボックル物語)

コロボックル物語(1) だれも知らない小さな国 (児童文学創作シリーズ―コロボックル物語)


佐藤 さとる , 村上 勉[講談社]
在庫あり。 価格: 1,455円

不思議を売る男

不思議を売る男


ジェラルディン マコーリアン , 佐竹 美保 , Geraldine McCaughrean , 金原 瑞人[偕成社]
在庫あり。 価格: 1,575円

さよなら、「いい子」の魔法

記憶の国の王女

どろぼうの神さま

どろぼうの神さま


コルネーリア フンケ , Cornelia Funke , 細井 直子[WAVE出版]
在庫あり。 価格: 1,890円
ドイツの児童文学作家コルネーリア・フンケの長編ファンタジー。若き竜と怪物たちとの戦いを壮大なスケールで描いた『竜の騎士』で注目された著者は、長編2作目となる本書で、チューリヒ児童文学賞やウィーン児童文学賞を受賞。その実力が認められ、本国ドイツで、ベストセラー作家となった。水の都ベネチアを舞台にした本書は、ストリートチルドレンの縦横無尽の活躍を、スピーディーな展開で読ませる冒険物語である。

12歳の少年プロスパーと5歳になる弟のボーは、読書好きの少女ヴェスペやその仲間たちと、廃墟となった映画館で暮らしていた。兄弟は、2人を引き離そうとする伯母夫婦から逃れるため、ヴェネチアまで家出してきたのだ。そんな身寄りのない子どもたちのリーダーは「どろぼうの神さま」と呼ばれる少年スキピオ。スキピオは、金持ちの家や美術館に忍びこんでは、高価な品々を盗み出す怪盗だ。しかし、伯母夫婦から依頼を受けた探偵ヴィクトールの出現によって、子どもたちの生活に、少しずつ変化が訪れる。

年老いた伯爵からの奇妙な依頼、探偵との追跡劇、強欲な古物商との緊張感漂う取り引き、そしてスキピオの秘密。さまざまな謎と事件を追いかけ、町を駆け回る子どもたちを通して、著者は、大人になることの意味と切なさを語りかける。なかでも、「子どもは大人になり、大人はまた子どもにかえる」という伝説のメリーゴーラウンドを前に、戸惑うプロスパーの姿には、若い読者だけではなく、多くの大人たちも心揺さぶられるに違いない。胸を躍らせた幼いころの記憶が、はっきりと蘇ってくる本書は、物語中のメリーゴーラウンドに魔法をかけられたような、不思議な体験を約束してくれている。(中島正敏)


ライオンと魔女(ナルニア国ものがたり(1))

ライオンと魔女(ナルニア国ものがたり(1))


C.S. ルイス , ポーリン・ベインズ , C.S. Lewis , 瀬田 貞二[岩波書店]
在庫あり。 価格: 1,785円

デルトラ・クエスト〈1〉沈黙の森

デルトラ・クエスト〈1〉沈黙の森


エミリー ロッダ , Emily Rodda , 岡田 好恵[岩崎書店]
在庫あり。 価格: 1,140円

魔女の宅急便 (福音館文庫)

魔女の宅急便 (福音館文庫)


角野 栄子 , 林 明子[福音館書店]
在庫あり。 価格: 1,035円

ム-ミン谷の彗星 (ムーミン童話全集)

ム-ミン谷の彗星 (ムーミン童話全集)


トーベ・ヤンソン , Tove Jansson , 下村 隆一[講談社]
在庫あり。 価格: 1,680円

小さい水の精

小さい水の精


オトフリート プロイスラー , ウィニー ガイラー , Otfried Preussler , Winnie Gebhardt‐Gayler , はたさわ ゆうこ[徳間書店]
在庫あり。 価格: 1,575円

小さいおばけ

小さいおばけ


オトフリート・プロイスラー , フランツ・ヨーゼフ・トリップ , Otfried Preussler , はたさわ ゆうこ[徳間書店]
在庫あり。 価格: 1,575円
『クラバート』 『大どろぼうホッツェンプロッツ』などで知られるドイツの児童文学者、プロイスラーによる1966年の作品。

何百年も前から「フクロウ城」で暮らしている「気のいい」小さいおばけ。毎日、昼間はぐっすり眠り夜中の12時から1時までの「おばけ時間」だけ起きて、「かぎが十三個ついたかぎたば」を操り夜の世界を満喫していた。だがある日突然、どうしても昼の12時に目が覚めるようになってしまう。最初こそ喜んだものの、真っ白な体は真っ黒になり、フクロウ城へ帰ることもできなくなったおばけは、町で大騒動を起こす。

なぜ昼の12時に目を覚ましたのか。白い体に戻れるのか。お城には帰れるのか…。おばけの起こす騒動をあれこれ描いて楽しませつつ物語の最後まで謎を残したままハラハラ感は続き、最後にすっきりと答えをくれる構成が痛快だ。また、やさしい語り口のなかに、突然「こっちにはこっちのなやみがあるのですから」「のぞみというものは、もうだめだ、と思ったころに、かなうものなのです」など大人っぽいフレーズが出てくるのもおもしろい。

原書のものをすべて収録したという挿絵も本書の大きな魅力。ふわふわとしたおばけのかわいらしさももちろんだが、なんといっても6ページにも及ぶ「スウェーデン軍」(に扮した人々)の大行進の絵が必見。それぞれの動き、表情、そして何百という人がうねうねと続くその大胆な構図に圧倒される。(門倉紫麻)


クラバート

クラバート


オトフリート=プロイスラー , ヘルベルト=ホルツィング , 中村 浩三[偕成社]
在庫あり。 価格: 1,680円
ヴェンド人の少年3人組で村から村への浮浪生活をしていたクラバートは、ある時から奇妙な夢を見るようになる。「シュヴァルツコルムの水車場に来い。お前の損にはならぬだろう!」という声と止まり木に止まった11羽のカラスの夢。

その声に従って水車場の見習となったクラバートは、昼は水車場の職人として働き、金曜の夜には12羽目のカラスとなって、親方から魔法を習うことになる。

『大どろぼうホッツェンプロッツ』や『小さい魔女』などで知られるオトフリート・プロイスラーが、ドイツとポーランドにまたがるラウジッツ地方の古い伝説を下敷きにして書いた『クラバート』。チェコのアニメ作家カレル・ゼマンによって映画化もされたこの物語は、ドイツ児童文学賞、ヨーロッパ児童文学賞などを受賞し、プロイスラー文学の頂点ともいわれる1冊である。

クラバートが足を踏み入れた水車場は、暗く多くの秘密を抱えた場所だ。新月の夜に現われる大親分の存在や復活祭の決まりごと。毎年の大晦日には仲間のひとりが犠牲となるなど、常に死の影がつきまとう。そこでの3年間の修行を経たクラバートは、「自分自身の意志の力と、ひとりの誠実な友の助力と、ひとりの娘の最後の犠牲をも覚悟した愛とによって」親方との対決を果たすことになるのだ。

宮崎駿が『千と千尋の神隠し』の下地としたという本書は、少年少女向きの軽いファンタジーではない。あらゆる世代を対象にした児童文学の枠を超える1冊である。(小山由絵)


ダレン・シャン―奇怪なサーカス

ダレン・シャン―奇怪なサーカス


ダレン シャン , 田口 智子 , Darren Shan , 橋本 恵[小学館]
在庫あり。 価格: 1,680円

魔法使いはだれだ ― 大魔法使いクレストマンシー

魔法使いはだれだ ― 大魔法使いクレストマンシー


ダイアナ・ウィン・ジョーンズ , 佐竹 美保 , 野口 絵美[徳間書店]
在庫あり。 価格: 1,785円
6Bには魔女がいる。魔女が悪者扱いされる、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『Witch Week』(邦題『魔法使いはだれだ』)の世界では、それはちっとも喜ばしいことではない。読者は、現在のイギリスの学校、ラーウッドハウスの生活に放り込まれる。ごく普通のこの学校が1つだけほかと大きく異なるのは、いたるところに魔女がいて、容赦なく魔女狩りが行われているところ。著者のウィットと博学ぶりが感じられる、6Bの教室が舞台のこの物語は、クラスメートの魔女探しから始まる。人気者のサイモンでも良い子ちゃんのテレサでもないことは確か。だとしたら、太っちょのナンか、ものぐさなチャールズ? それとも謎めいたところのあるニラパムか、落ち着きのないブライアン? 物語がクライマックスを迎えるころには、魔女であることは恥ではなく名誉のしるしになる。

継ぎ目を感じさせることなく、自然に視点を移しながら展開していくこの物語は、『Lord of the Flies』(邦題『蝿の王』)と同種の作品だ。著者は、子どもというものを十分に理解したうえで、子どもが傷つけあい、助けあう姿を描く。そして、物語の本筋に、知らないと書けない学校生活の様子を織り込んでいく。すさんだ生活をしているナンが、人気のある女の子たちをうんざりしたように観察している場面を見てみよう。
「授業中ナンは気がついた。テレサとその仲間たちはまた何かに夢中になっている。いやな予感がする。新しいことを始めると、あの子たちはいつも異常なくらいうるさくなるのだ…。今回の流行は白い編み物。汚れないようにタオルにくるまなくてはいけないような、白くてきれいでふわふわした毛糸。教室じゅうが“裏編みを2目、表編みをひと目、次は2回編み棒にからませて…”とぶつぶついう声に包まれる」

『Witch Week』は文句なしにおもしろい。しかも、仲間はずれはやめよう、などといった「道徳的」メッセージを子どもたちに押しつけることはない。


魔法使いハウルと火の悪魔―ハウルの動く城〈1〉

魔法使いハウルと火の悪魔―ハウルの動く城〈1〉


ダイアナ・ウィン ジョーンズ , 佐竹 美保 , Diana Wynne Jones , 西村 醇子[徳間書店]
通常5~6日以内に発送 価格: 1,680円
インガリーの国では呪文や見えないコートや7リーグ靴は日常のこと。といっても、「荒地の魔女」とくれば話は別だ。

この50年は何ごともなく過ぎた。しかし、魔女が再びこの国に災いをもたらそうとしているというウワサがあった。だから、動く黒いお城や4つの細い小塔から黒っぽい煙が地平線に現れたとき、誰もが、魔女がやってきたのだと思った。ところが、そのお城は魔法使いハウルのものだった。ハウルは若い女の子の心を吸い取るのが好きだという。ソフィア、レティ、マーサのハッター姉妹はもちろん、女の子たちはみな、危ないから1人で街を出歩かないようにと注意される。だが、それはほんの始まりにすぎなかった。

この壮大なファンタジーのジグソーパズルの中では、見た目とは違って、人も物も平穏ではない。運命はもつれ合い、自分が誰かもわからなくなり、恋人たちは大混乱。「魔女」がハウルに魔法をかけたのだ。はたして、その魔法を解くカギは有名な詩の中にあるのか? ハウルのお城に入るソフィー・ハッターの身に何が起こるのか?

ダイアナ・ウィン・ジョーンズのうっとりするようなファンタジーはいつも驚きでいっぱいだが、魔法使いどうしの激しい最後の闘いが終わると、魔法のように何もかも元のさやに収まる。


ポビーとディンガン

ポビーとディンガン


ベン ライス , Ben Rice , 雨海 弘美[アーティストハウス]
現在、在庫がありません
空(くう)を見て話しかける人を見たら、妄想か他人の気を引こうとする大嘘つきかと思うのが一般的かもしれない。しかし、そんな妄想癖のある子どもとその家族を描いた『ポビーとディンガン』(原題『Pobby and Dingan』)は、単なる妄想の物語では終わらないのである。

ウィリアムソン家では、家族の分だけでなく妹ケリーアンの友人ポビーとディンガンのための食事も毎日用意されていた。しかし、物語の語り手である兄アシュモルはそんな状況を疎ましく思っている。なぜなら、ポビーとディンガンは妹の空想上の友人に過ぎないのだ。大切な友人を失った妹の病気が重くなるのを見かね、街中に「賞金つき捜索願い」を出す兄アシュモル。かくして街中の人々がポビーとディンガン探しに奔走するが…。

本書は、架空の友人をストーリーの中心に置くことによって「目にみえないものの価値」を訴えかけている。「何を言っても誰にも信じてもらえないのは、あんまり気分のいいものじゃない」とアシュモルは妹の思い(=「目に見えないもの」)の大切さに気づき、また街の人々は「目に見えない夢」を求める自分に気づき、ケリーアンが大切にしていたものの真の価値を認める。ポビーとディンガン探しや「架空のお葬式」がただの哀れみや酔狂ではなくなるところに、本書の魅力がある。

また、物語を通じて出現するオパールも本書のきらめきを引き出す重大な役割を果たしている。オパールの不思議な色彩のイメージと重なり合い、かすかにゆらめくような読後感が読者をひきつける。(青山浩子)


龍使いのキアス

盗まれた記憶の博物館 (上)

盗まれた記憶の博物館 (上)



星の王子さま―オリジナル版

星の王子さま―オリジナル版


サン=テグジュペリ , Antoine de Saint‐Exup´ery , 内藤 濯[岩波書店]
在庫あり。 価格: 1,350円
著者の生誕100年を記念し作られた復刻版。挿絵は著者自身が描いた米オリジナル版そのままの絵が載せられている。これまで親しんできた挿絵と比べると輪郭がはっきりしていて鮮明、そのほかにも「ささいな違い」を見つけながら読み進めていく楽しみもある。

本書は、ストーリーの展開を楽しむ意味においては子ども向けだが、むしろ大人向けのメッセージに満ちていて、本来人間には「心の目」が備わっているということを呼び起こされる。その、真実を見ることのできる「心の目」をもって、大切にしていかなければならないモノを感じ取り、それを生かしていくことで人は豊かになれるはずなのだが、さまざまなことに心を奪われ見えなくなっていき、やがて見ようともしなくなる(王子が訪れた星に住む大人たちは点灯夫以外その象徴のようでもある)。

キツネの言葉「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目には見えないんだよ」は著者からの、大人、そしてこれから大人になる子どもたちへの警鐘なのかもしれない。(加久田秀子)


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