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21世紀はじめの日本を覆う異様な息苦しさと、どこにも出口が見えない圧迫感をまっすぐに見すえながらも、音楽の根源的なパワーによって「希望」のありかを示してみせた傑作のサード。テクノ~ハウスのダンスミュージックに接近する一方で、トラディショナルなロックンロールの魅力もきちんと提示し、自由な感性と音に対する研ぎ澄まされた感覚はひとつの高みに達している。「安心な僕らは旅に出ようぜ 思いきり泣いたり笑ったりしようぜ」というフレーズが泣ける<9>「ばらの花」ほか、くるりディスコグラフィの中でもずっと語られるであろう名曲が詰まっている。(森 朋之)
2001
2009-11-01
日本の音楽シーンの傾向が大きく変わる予感の中で、くるりの本作の方向が注目されていた。くるりはレコーディングにおいても、つねに変化し続けて、その時点でのバンドの音楽的欲望に忠実だった。だから彼らの表現は、音楽シーンの底に流れる水脈の形を反映していた。そして本作は、シングル2で予言されていたものの全貌を明らかにしている。サンプリングされたリズムの中で、気分をどこまで伝えられるかということだ。くるりは1でこう宣言する。"♪哀愁も臨界点 メッセージすら何処にも御座居ません〜暗いのもう嫌 季節メロディー共にくだけ散って苦悩"。ライブでは気迫で伝えていたリズムを、このアルバムではコンピュータを使ってややクールに表す。この手法は1、2、5、7、8で使われ、イラ立ちや怒りや諦めの感情が描かれる。00年あたりから急増したレイブ形式のライブに通じる音楽性だ。重量感のあるリズムの繰り返しに身をまかせながら、それらの苦悩を楽天的に伝えるのがくるりの特徴だろう。その一方で、1で否定したはずのロマンティシズム=メロディや季節感に溢れる曲が同居しているのが面白い。特にアルバム・ラストの9、10、11の美しさにはタメ息が出る。スーパーカーのmikiがコーラス参加した9やバンジョーをフィーチャーした11は、人間の喜怒哀楽をもう一度信頼しようとする希望に満ちている。くるりは音楽の中で消耗しつつあるロマンを、相反する表現の中で真剣に回復させよいとしている。3の"LV30"はその象徴だ。
彼らの音楽に対する探求心が伝わってくる、面白いアルバム
2009-02-15
私が初めて聴いたくるりのアルバムが、この『TEAM ROCK』だった。
くるりのアルバムの中でも特に異質な存在を放っているこのアルバム。
というよりも、くるりというバンド自体が、異質な存在感を放っているようにも思える。
トッラクの一曲目から、なぜかRapをかますヴォーカル岸田繁。
その瞬間から、私はくるりにハマってしまった。もっと聴いてみたい、もっと知りたいと単純に思ったからです。
テクノ・ポップとロックを見事に融合させた『ワンダーフォーゲル』や『ばらの花』は、年月が経っても日本ロック界に名を残す名曲だし、
『LV30』や『迷路ゲーム』のようなじっとりと聴かせるくるりらしいギター・サウンドも文句なしにかっこいいし、良い曲だ。
ただ、インスト的な作品が二曲も入っていたり、突然ピアノの弾き語りがあったりと、実験的過ぎてアルバム自体にまとまりがない気がしてしまう感も否めない。
でもこのアルバムはそれはそれで良いのだと思う。とにかく聴けばわかるはず(笑)
彼らの音楽に対する探求心が伝わってくる、面白いアルバムです。
ロックチームくるりの抱える苦悩
2007-09-14
くるりの音が幅を広げた傑作。キャッチーな打ち込み楽曲が増えたぶん、生々しさは薄れて多少の物足りなさも感じるが、前作のアナーキズムを補って余りあるねじれた感覚に陶酔してしまうアルバムだ。代表的シングルもしっかり3曲収録されて「NIKKI」と並ぶ聴きやすさを誇るが、「永遠」「C'mon C'mon」などインスト色の強い曲が深みを持たせている。
まず不思議なくるり流ラップ「TEAM ROCK」で幕を開ける。なんともオリジナルな展開がクセになる。そしてポップな「ワンダーフォーゲル」に「愛なき世界」、おかしなタイトルとはギャップのあるバラード「カレーの歌」や岸田の趣味爆発のロック「トレインロックフェスティバル」などカラフルに曲が並んでいる。そして最高傑作のひとつ「ばらの花」とラストの「リバー」には泣ける。本当にくるりは僕らの違和感を表現するのがうまい。心の奥のモヤモヤを晴らすのがうまい。
ここまでポップ感を打ち出しながら、この作品もくるりの試行錯誤の塊に思える。それは「図鑑」でくるりの理想に近い音楽を表現してしまったからではないだろうか。当時の摩擦のない純粋なくるりの音楽を作れたにもかかわらず、完全な理想にはあと一歩辿り着けなかった。そんな岸田繁の葛藤を1曲目「TEAM ROCK」から感じた。しかしその結果、新たな扉が開けくるりの存続を決定づけた作品になったように思う。
一貫した信念を掲げながら全てが異なる色を持つ作品を作り続けたくるり。この深みのある輝きを持つ青いアルバムは、くるりが起こした最もポップな革命である。
ばらの花が入ってればそれでよし。
2006-11-12
くるりのアルバムの中では最も聴き込んだアルバム。
「ワンダーフォーゲル」、「ばらの花」が入ってるというだけで、かなりポイントが高い。小糠雨の降り注ぐ日に、ぼんやりと窓の外の景色を眺めながら「ばらの花」を聴いていると、かなり泣けてくる。詞がとても素晴らしい。「カントリーロード」にメロディーがそっくりな「カレーの歌」もお気に入りで、時おり口ずさみたくなる。
若々しく、青臭い感じがたまらない。
全体的にバランスがよく、繰り返し聴けるアルバムだと思う。
好き嫌い分かれそう
2006-11-06
最近くるりを知ったという人が聴くと『は?ラップ?テクノ?』と驚いて中には退いてしまう人もいるかもしれません。しかし私が星5つ付けた理由はこのロックとテクノの融合ではなくてそれ以前に純粋な音楽としての良さに付けただけです。『ワンダーフォーゲル』も『ばらの花』もメロディーありきの電子音だから聴いてて心地いいのだと思います。無機質な雰囲気を出すのに効果的だなぁと思いました。worldismineも多少 電子音が入った曲がありますがきっとこのアルバムで何かを掴んでその結果あのような作品になったのでしょう。
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