秋刀魚の味 [DVD]

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秋刀魚の味 [DVD]

秋刀魚の味 [DVD]


野田高梧[松竹]
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   共に暮らす娘の婚期を気にかけながら生きる、元海軍将校のサラリーマン。やがて娘を嫁がせる彼の孤独と老いをあらわにした、名匠小津安二郎監督ならではのヒューマンコメディである。
   全編ほのぼのとしたやりとりが続くなか、そこはかとない人生の厳しさや空しさなどが、達観した演出によりチラホラ見え隠れする。小津作品の常連である笠智衆の父親像も好演だが、娘役の岩下志麻の快活さも、それまでの小津作品とは違った味わいを醸しだしている。飲み屋で『軍艦マーチ』を聞きながら、ユーモラスに敬礼を交わし続ける人々のせつないシーケンスも、忘れがたい印象を残してくれる。
   なお、この作品は小津監督の遺作となり、翌年、60歳の誕生日に息を引きとった。(的田也寸志)
昭和のよき時代の名作でしょうか 2008-08-27
小津安二郎の作品は初めて観ましたが大変感動しました。
脚本、撮影、演技どれをとっても一級だと思います。

時代背景的には私の親の世代の方々の青春時代にあたりまして、
この頃の世相が実際にどのようなものであったのかは想像するほかありませんが、
こういう時代の空気をぜひ吸ってみたかったものだと正直に思いました。

今の20代、30代の方でも十二分に楽しめる名作だと思います。

もう少し生きて貰って昭和後期あたりも撮って貰いたかった 2008-04-21
主演の岩下志麻の美しさに魅せられて思わず見てしまった小津安二郎の遺作。テーマは婚期を迎えた娘と父の微妙な関係を描いており、晩春と麦秋が入り混じった様な作品。
背景は戦後の高度経済成長時代にさしかかった辺りであり、団地から出勤するサラリーマンの姿やオフィスの窓から見える強大な煙突から吐き出される煙が象徴的だ。
小津映画で一番気持ちの良い印象を与えてくれるのは言葉使いではないだろうか。特に挨拶や日常親子で交わされる会話など生活の最低限の規範が描かれていると感じる。
物質的に豊かになった現代、引き換えに失われたものを小津の映画に中に見つけることが出来る様な気がする。

異邦人のようにくどくどと祈るな。言葉数が多ければ聞き入れられるものではない。 2007-08-24
昨今の日本のドキュメンタリー、たとえ非常に良質なものでさえ、
今まさに感極まって泣きそうだというときには
カメラはそれにあわせてアップになるのが常套手段でしょう。
ましてやドラマや映画となれば
盛り上げることができそうなシーンには浅ましいほどの勢いで食い付くものです。

それに対してこの映画。

例えば吉田輝雄が飲み屋で佐田啓二に
妹(岩下志摩)との結婚の可能性を聞かれる場面。
実はかなりの悲劇なのではないのでしょうか?

「ちぇっ、もっと早く言ってくれればいいのに、ほんとだよ全く」
と言いながら、吉田は「おーい、ビールもう一本」と叫ぶ。

こんなにすっとぼけたことを、わざとらしくもなく、ごく自然に撮るなんて。。。

例えば雰囲気は全然違うけどスウェーデンのベルイマンの映画を
初めてみたときは、人と人の葛藤のシーンの激しさ(たとえば夫婦喧嘩のシーン)に
ビックリしたものでしたが、この映画を初めてみたとき(小津の映画を初めてみたときでもあります)
逆の意味で唖然としました。

それと、こんな台詞も台詞まわしももう現在のような「美しい日本」(ケッ!)
ではとうてい無理でしょうね。

丁寧な映画 2006-07-02
いい映画です。見れば見るほどいい映画だな〜と思わせる。細かいところが実に丁寧につくってある。ちょっとした台詞のない街のネオンだけの風景が構図色彩一幅の絵、またはポスターのようなレトロな感覚。

勿論台詞は全て暗記に耐えられる素晴らしい詩になっている。主人公の長男がゴルフのクラブを友達に借りて、欲しそうにいう台詞「いいんだ。これ、いいんだ。」横目で心配そうに、そして拗ねたように可愛らしく眺める新妻・岡田茉莉子が「あんた、買うの?(間)・・あたしだって買っちゃうから。(間)・・白いハンドバック。」

二年程前、ハーヴァード大学で篠田監督がこの映画とご自身の新作の解説をなさっていました。奥様の岩下志摩さんが、小津監督がなくなられた時、何か感じた。今先生になにかあったみたい。とかけつけられた。という話。

アメリカでの小津映画の評価は高いです。そこには「見る日本」があるだけではない。「感じる日本」、そして「つくる日本」があります。映画をつくる人々にとって真似の出来ない手法、手わざがあります。多分それはテクニックではなくて、小津らしい江戸っ子らしい心意気なんだと思います。

平凡だけど味のある秋刀魚のような映画 2006-04-19
娘の結婚というありきたりな題材なのに最後まで
飽きさせない映画だった。
ほろっとくるところもあり、セリフにジーンと
するところもあり、もちろん笑いもあり、本当に楽しい映画。
出演している人、どの役にも味があって良い。
特に、末っ子の高校生か大学生の男の子が良い味出てた。

まず、何より出てくる女優さんがみんな本当に綺麗。
笠智衆さん演じる穏やかなお父さんが、本当に素敵。
娘の結婚式の夜の情景は、私は自分が娘だから逆の立場だったけど、
父親の悲しみと寂しさがすごく伝わってきて切なかった。
それでも一生一緒にいるわけにはいかないし、その別れも
喜ばなくちゃいけない、乗り越えていかなくちゃいけないもの
なんだよなぁって、最後笠さんの切ない背中を見ながら思った。