回螺 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

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回螺 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

回螺 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)


[ワニマガジン社]
在庫あり。 価格: 2,625円
深い 2010-07-20
自身という存在はどこに宿るのか?
それが脳ではないとすると仮定して……という独特な世界観を展開する逸品。
殺伐とした世界観を描きながらも、どこかしら目に馴染む安倍吉俊氏の持ち味を生かしています。
初期の同人原稿を集めたもののようで、正直大手の雑誌等に大々的に連載されるような万人受けするものではありませんが、氏の作品に興味のある方は決して損はしないと思います。

暗く悲しく、甘美な物語……トラウマになる一冊だ! 2010-05-20
 この物語をなんと表現したらいいんだろう。
 安倍 吉俊の漫画の中でも異彩を放っている。

 キャラクターたちは気がつけば見知らぬ迷宮の中に閉じ込められている。
 脱出のために迷宮を彷徨うが、出口も手がかりも見つけられぬまま、一人、また一人と怪物に襲われたり、仲間の変わり果てたものに食らわれていく。
 そして、それを逃れた物も、絶望的な運命が待ち受ける。。。

 どこまでも救われない、救われる道のない世界。
 希望はどこにあるのか?読み手さえも絶望的な気分にさせる物語。

 こういう物語を書かせたら、安倍 吉俊の右に出る者はいないだろう。
 絵柄もぴったり。
 暗く彷徨いながら絶望と希望の狭間をふらつくような、危険な香りが道が物語を堪能できる特異な一冊だ。

 人に勧めるのが難しい一冊だが、俺は大好きだ。

頭の中の住人の頭の中の世界 2009-10-28
尊敬する漫画家・イラストレーターの名を挙げろと問われたら、私は迷わず弐瓶勉と、この安倍吉俊の二人を挙げる。

安倍氏のキャリア最初期に同人で出された「白雨」(97年)から、単行本未収録だった読み切り「古街」(99年)と「樹葬」(02年)。そして2004年から3年に亘りrobotに連載されてた「廃域」の、4作品からなるコミックス。

とはいえ全232頁中192頁がフルカラーで丹念に描かれており、そのクオリティ、内容の豪華さはもはや画集といってもいい。

破滅的ギャグ路線の「NieA_7(ニア・アンダーセブン)」、心温まる「灰羽連盟」、そして恐ろしいほど暗く絶望的で閉塞感溢れる世界を描いた本作「回螺」。安倍氏の引き出しの多彩さには驚かされる。

バラバラに発表された「白雨」「古街」「樹葬」「廃域」の4作品。約10年の歳月をかけて紡がれた物語が、この一冊の中で完璧に調和し纏まっている。

設定や専門用語を飲み込むのに時間がかかるが、逆に言えばじっくり読み込むに値する作品。

あとがきも含め、読み手に新たな世界を提示してくれる、そんな一冊。

2008-12-02
フルカラーで、これほどまで丹念に描かれた絵が、漫画のひとコマにしかならないなんて、なんと言う贅沢なのでしょう。
もちろん、画集としても楽しめます。
時としてグロテスク。しかし、この本は美しい。
225ページ中、最後の約40ページがモノクロ作品です。

私が今までに出会った漫画のなかで言うと「病院のお見舞いの差し入れとしてふさわしくない漫画・その2」ですね、これは。
「絶望的」という一言で言い表すには余りある閉塞感。
その中で、記憶とは、世界とはなんであるか、を力強く問い掛けられます。
そしてなによりも、ストーリーを語る安倍氏の絵は美しい。
いろんな方角からいろんな衝撃が同時にやってくる、そんな印象でした。
傑作です。
ただ、小さな子が読むと、間違いなくトラウマになると思いますので、ご注意を。

樹葬の続きが読みたくて。。 2008-07-19
以前連載していた時、「樹葬」のオールカラーページだけ切り出してスクラップしていたので、こうしてちゃんと大判で発刊されたのは嬉しい限りです。:) ただ、内容はまだ完結してなくて、ご本人も「いつか続きが書きたい」とBlogで書かれておりました。それぞれに物語全体が完結しない、しかし、安倍哲学?に触れるには非常に有効な、世界観の芽があらゆる方向に向かってその端緒を感じ取れる、お買い得な一冊です。:)