海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

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海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)


[新潮社]
在庫あり。 価格: 1,040円
再読したいとは思えない 2010-09-05
挿入されるエピソードに突拍子もないものが多く、読んでいて混乱させられる。
また、登場人物の会話も、妙に硬くてぎこちなく、作者の思考が反映されているような不自然さを受ける。
プロット間の整合性がチグハグで、全体的な統一感に乏しい。
主として以上に挙げた理由から、読後感は悪く、再読したいと思える作品ではなかった。
通読できたのは、これまでの仕事に対する信頼感のせいだろう。

ひとりにひとつの物語 2010-08-22
まず、この『海辺のカフカ』をお読みいただくに当たって

この小説の大きなテーマが

誰もが経験する

『大人への成長』

である事を念頭においていただきたいと思う。



そして、そのうえで初めてファンタジーであったり、時にはダークであったりもする様々な要素がこの小説を飾り立てているのだ。


であるから、決して後者はメインキャストではない。

その為、それらの描写は時に曖昧で読者を深く考え込ませたりもする。

しかし、だからこそ前者として挙げた大きなアウトライン(筆者の伝えたい旨)に沿ったうえでの

読者ひとりひとりの自由な解釈が可能となり
結果として、読者は自らがあたかも一人の登場人物として作中に参加しているような感覚を与えられうるのではないだろうか。



決して一字一句に対して理論的な解釈を求めるようなつまらない読み方ではなく

ぜひ、"あなた"の世界観に沿った『海辺のカフカ』を読んでいただければと僕は思う。

本当に高い評価で良いのか? 2010-07-29
大ベストセラーであっても、
なかなか村上節が抜けないという期待を裏切れた1品。
近年、村上さんはベストセラーを連発している中では、
文庫本になってからでもいいやというような気持ちになってしまった。
村上ファンには少し劣る作品と思える。

ふう〜ん、これが、村上春樹か。 2010-07-13
遅ればせながら村上春樹を初めて読んだ。朝日新聞の文芸欄で、2000年以降の10年間に出版された書物の中でこの小説が第2位に位置づけられていたので、遂に手に取ってみた。

自分がよく読むノンフィクションや歴史もの、経済もの、国際政治ものなどと全然趣向が違う。想像力が漲っていて、ストーリーの展開が重層的、そしてメタファーの使用などとっても技巧的で印象深い。エンターテインメントとしてとても面白い。

この小説の思想的傾向として、自分の頭に浮かんできた表現は「urban middle-class intellectual progressive liberalism」。皮肉な意味で使っているわけではない。自分自身、ストーリーの中に出てくる和洋様々な文学や音楽に改めて触れて見たいとの気持ちになった(早速、題名のカフカの作品「変身」を読んでみた)。15歳の少年がクラシックなジャズを好んだり、彼が中高年というべき婦人に恋したり、若干oldiesに流れるところもあるけど、村上春樹が世に広く読まれていることを思えば、このような趣向も一つの大きな潮流かなと思う。

この本を読んでいて、日本語表現としてその場になじまない文章が時々出てくることがある。これは、この本が英語訳されることを想定してそうなっているのかなと思ったのだが、どうなんだろう。

世界はメタファーだ 2010-07-01
「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」―15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。

少年時代、その時期にしかない一瞬を扱った小説なのかな。
よくある小説のように、現実をわかりやすく、より軽快に、より明快に描くのではなく、
メタファーで満たし、より寓話的に、より暗示的に描くとこうなるのかなー、と感じた。
「世界はメタファーだ」

「この僕らの住んでいる世界には、いつもとなり合わせに別の世界がある」
ほかの作品でもよくあるように、2つの世界から物語は語られる。
別の世界。今回は対比がとてもくっきりしているように感じた。
一つのものが、複数のものと隣り合わせにある。

難しいことはさて置いて、
ナカタさんとホシノさんのやりとりがすごく良かった。
村上春樹はこういう単純なのも書けるんだ。

正直、作者の意図とか文学的な価値なんてさっぱり分からない。
書いてあることの、半分も理解できない。
それでも、なんだかわかった気にはなれました。